あなたの職場に嫌な上司や同僚はいませんか?
職場は毎日行く場所だからこそ、嫌な人や苦手な人が一人でもいると毎日憂鬱になってしまいますよね。「嫌な人」レベルならまだ我慢もできますが、いじめともいえるような嫌がらせ行為をしてくる人物がいたら逃げたくなる気持ちもわかります。
本文でも詳しく説明しますが、職場いじめは非常に陰湿でダメージが大きい上に積極的に訴えていかないと周りに気が付いてもらえないことが多いです。そのため、職場いじめは決して放置したり自分だけで解決しようとしたりするのは辞めましょう。
今回は、職場いじめのよくあるパターンや、具体的な職場いじめへの効果的な対策、そしてよりスムーズに解決するために抑えておくべきいじめの証拠について詳しく解説していきます。
「いじめ」と聞くと、小中学生などの子供の世界での問題だと思っている方も多いかもしれませんが、実際には大人同士の間でもいじめは発生しています。
特に、毎日のように顔を合わせる集団である職場は、年齢も価値観も性別もバラバラな人たちが集まっているのでいじめが起こりやすい状況になっています。
まずは、職場で起こるいじめの特徴を見ていきましょう。これらの特徴を見れば、我慢しても解決しない、我慢したら問題が悪化してしまう、ということがお分かりいただけるかと思います。
職場内でのいじめは表面化しづらいという特徴があります。職場では上司と部下という立場があるため、ミスをしたときに大声で叱咤したり、酷い言葉で注意したりしても、「仕事上の指導かな」といじめと指導との区別がつきにくく、いじめだと判断されるまでに時間がかかってしまうことが多いのです。
また、同僚同士や部下からの無視や陰口などは周囲の目が行き届かない場所で行われることが多いので、いじめの被害者はじわじわと精神的なダメージを受けてしまいます。
周囲の人が気が付きにくい、表面化しにくいという特徴があるため、問題を一人で抱え込むのではなく、自分から声をあげて積極的に解決していくことが重要です。
フルタイムで働いている人にとって、1日のほとんどを職場で過ごすことになるため、職場でトラブルや悩みが発生してしまうと生活するうえでかなりの負担になってしまいます。
学校でいじめの場合は、不登校になれば加害者と距離を置くことができますし、勉強は自宅学習でカバーできますが、職場いじめの場合はいじめを避けるために仕事を辞めてしまうと収入がなくなり生活に困ってしまいますし、転職するにしても最初は収入が下がるケースが多いので生活を維持するために我慢し続ける人がほとんどです。
毎日、1日のほとんどの時間を過ごす職場でいじめの被害を受けていると、慢性的にストレスが溜まってしまい、うつ病などの精神疾患を発症するリスクが高まるといわれています。
一度精神疾患を発症してしまうと、日常生活すらままならない状態になることもあるので、絶対にいじめを我慢し続けないようにしなければいけません。
職場いじめは我慢していても解決しませんし、我慢することでうつ病を発症してしまうリスクがあることはすでにお伝えしましたが、実際にいじめを受けていても「これっていじめなのかな」「仕事だから仕方ないのかな…」となかなか自分では判断しにくい場合もありますよね。
そこでこの章では職場いじめのよくあるパターンをご紹介します。もし、以下のことを職場でされているとしたら立派ないじめですので、すぐに対策を取るようにしてください。
「無視」って直接暴力を振るわれるわけではないので、物理的に痛い思いをするわけではないですが、やられると精神的にダメージが大きいですよね。特に集団で無視をされると仕事に集中できないくらい精神的に参ってしまいます。
毎朝職場に行った時に挨拶しても無視されたり、自分が輪に入ろうとすると上司や同僚がその場から立ち去ってしまったり、すぐそばにいるのに他の人を通して要件が伝えられたり、無視の手口は様々です。
また、職場の全員が参加する送別会や忘年会、社員旅行に自分だけ声をかけられないというのも辛いですよね。
仕事でミスをしたときに暴言を言われて怒鳴られたり、仕事で成果を出しても嫌味や陰口を言われたりするいじめのケースもあります。
ミスをしたとき、みんなが聞いている場所で「バカ」「無能」「死ね」など暴言を浴びせられたり、期待通りの提出物を出せなかったときに「やり直せ!」と怒鳴られて書類を投げつけられたりすると、「厳しい指導なのかな」と指導といじめの区別がつきにくくなるかもしれませんが、これは立派ないじめです。
また、妊娠中や育児中に時短勤務にして「周りに迷惑をかけている」「何様だよ」と陰口を言われることもあるでしょう。
一日ではとてもできないような大量の仕事を押し付けられたり、毎月毎月達成不可能なノルマを与えられたりするのも職場いじめの一種です。
「とても無理です」と伝えても「頑張りが足りないからだ」「残業すればできるだろう」などと、与えている仕事量がおかしいのではなく、こちらの能力不足をアピールするのも特徴です。
また、終業間際に過大な仕事を頻繁に押しつけられ、仕事終わりのプライベートの時間を邪魔されるのもいじめの一種です。
徹夜までの残業や休日出勤を半分強制され続け、やっと成し遂げた仕事の手柄だけを上司やほかの同僚に横取りされたり、上司から誤った指示をされた結果失敗したのに自分だけ責任を取らされて濡れ衣を着せられたり、仕事に必要な情報や資料を与えられずにわざと失敗するように仕向けられたりなどのいじめもあります。
仕事に直接関わることで、仕事の失敗は評価や昇進にも影響してくることなのでかなり根が深い問題と言えるでしょう。
最近は年齢や性別に関わらずSNSを利用する人が増えていますが、正式なアカウントとは別に「裏アカ」と言って仕事上の愚痴や特定の人物の悪口を言うためだけのアカウントを持っている人もいます。その裏アカで、誹謗中傷を書き込まれるといういじめも増えています。
直接職場内でされるいじめであれば、誰が加害者なのかわかるのですが、SNS上で匿名でされる誹謗中傷は誰が自分の悪口を言っているのかわからないため、人間不信に陥ってしまう恐れもあります。
また、SNSの誹謗中傷には「社内不倫をしている」「会社の金を使い込んでいる」など、あることないこと書き込まれてしまうので、それを見たほかの社員や上司があなたを不審な目で見始めるという被害も増えてしまうのです。
有給休暇を申請したら、執拗に理由を聞かれたり、配偶者や恋人についてしつこく聞かれたり、プライベートに過度に干渉されるのも職場いじめの一つです。
また、仕事終わりや休日に頻繁に電話がかかってきて上司の飲みに付き合わされたり、深夜まで長電話に付き合わされたりといういじめのパターンもあります。
職場いじめは陰湿なことが多いため、むやみに行動してもいじめを悪化させる可能性もあります。効果的に対処していくためには以下にご紹介していく対策を取っていくことが重要です。
なお、加害者が個人で被害がそこまで大きくなく悪質性も低い場合はご自身の力で解決することも可能ですが、被害が大きい場合や加害者が複数いる場合は専門家の力を借りたほうが安全ですし効率的です。
ご自身で解決する場合も専門家に相談する場合も、いじめられた内容をすべて記録しておくことは重要です。
「これっていじめに該当するのかな」と不明な場合も、あとから専門家が判断すればいいだけなのでいったん自分が嫌な気持ちになったものはすべて記録しておいてください。
必ず、いじめを受けた日にちと時間、加害者の名前、内容を明確に書いておくようにしてください。
あなたが受けている職場いじめが同僚によるものである場合、すぐに上司に相談しましょう。いじめの加害者は周りにバレないように巧妙にいじめを行っていることがほとんどなので、上司が知らない可能性が高いです。
上司から注意を受ければいじめが収まる可能性がありますので、まずは上司に相談してみてください。なお、職場いじめの加害者が上司である場合や、いじめにあなたの上司も加担している場合は、あなたの上司の「さらに上の上司」に報告するという選択肢もあります。
上司の上司となると、会社でもかなり上の立場である可能性が高いので、いじめの事実が分かれば職場環境改善のために何らかの対処をしてくれることが期待できます。会社には社員が安全に労働できるように配慮する義務がありますので、職場いじめの存在を知っていてその対応を怠ると会社側も責任追及されるため、何らかの措置を取ってくれる可能性が高いのです。
職場いじめの加害者が個人である場合は会社内で異動することで解決できる可能性があります。
異動して、まったく新しい環境で人間関係を構築することで、ストレスなく仕事ができるようになるかもしれません。ただし、小規模な会社で異動が難しかったり異動しても職場いじめの解決には程遠かったりする場合は別の選択肢を考えましょう。
会社内に悪い噂を広められてしまっていたり、会社の規模が小さくて異動するのが難しかったりする場合は思い切って転職するという選択肢もあるでしょう。
職場いじめが原因で転職する場合は、精神疾患の診断書やいじめの事実を証明できる証拠があれば、会社都合退職にして、失業保険の優遇を受けることができる可能性もありますので、退職する前にいじめの証拠集めはやっておいたほうがいいですね。
労働組合とは、労働者が自分たちの立場を守るために集まって作った組織のことで、誰でも加盟できます。ほとんどの会社で加盟していますが、もし自分の会社に労働組合がなくても、個人で加盟が可能な「個人加盟労働組合」がありますのでそれに入ることができます。
労働組合に相談することで、組合という団体の力で会社に職場いじめの存在を提示し、改善するように働きかけてくれることが期待できます。
組合に相談することで、一人で会社に交渉するよりも解決の確実性が高まりますが、個人的ないじめで被害の大きさがそこまで大きくない場合、あまりいい結果は期待できない場合もあります。
その場合は次にご紹介する弁護士や探偵など外部の専門機関に相談するのがベストです。
職場いじめがあまりにも陰湿な場合や、職場いじめのためにうつ病を発症するなど実害が出ている場合は、いじめの加害者に法的責任を追及することを検討すべきですが、その際に頼りになるのが弁護士です。
弁護士に相談すれば、法律の専門家としての立場から、具体的な解決策を教えてくれますし、慰謝料請求などの法的措置を取る場合にすべて任せることができます。
また、法的措置を取る場合に必要になる客観的ないじめの証拠や被害の証拠を集めるときに頼れるのが探偵です。探偵は調査のプロですので、たとえSNSの匿名での誹謗中傷いじめの場合であっても加害者を特定し証拠を集めることが可能です。
自力での解決や自社内だけでの解決が難しい、加害者に責任追及をしたい、という場合はぜひ社外の専門家の力を借りてみることをお勧めします。
職場でのいじめを解決するためには、社内外の人たちの力を借りていくことが必要になってきますが、社内の上司を頼る場合も、弁護士などの外部の専門家の力を借りて対応していく場合も、もっとも重要なのが証拠を集めておくことです。
いじめの事実やいじめの加害者である証拠がなければ、加害者を問いただすことも責任追及することもできなくなってしまいますので、できればいじめを相談する前に、証拠を揃えておくのがベストです。
スムーズに解決するために揃えておくべき証拠の内容について詳しく見ていきましょう。
1つ目の証拠は、いじめを受けていたということを証明できる証拠です。具体的には職場でいじめを受けているときに浴びせられた暴言を記録した音声データや、いじめをしているところを撮影した動画、侮辱的な内容が書かれたメールの文面のプリントアウトなどです。
このようないじめを証明できる証拠をできるだけ毎日記録して保存しておくことで、日常的に職場でいじめを受けていたことを証明できます。
なお、音声データや動画などがベストではありますが、一人だけではなかなか証拠を集めることが難しい場合もありますので、その場合はノートに【何月何日何時ごろ】【誰に】【何をされたか・何を言われたか】を詳細に記録しておくようにしてください。
集めるべき2つ目の証拠は、実際に発生した被害を証明できるものです。職場いじめによって、傷害やうつ病などの精神疾患の発症など、あなたにどのような被害が発生したのかを明らかにできる証拠を集めてください。
暴力を振るわれたのであれば、暴行による傷害を証明できるもの、精神疾患の発症で病院にかかった場合は医師からの診断書を大切に保管しておきましょう。
ポイントとしては職場いじめの程度や深刻さが誰でも分かるほどの明らかなもので、本来の業務の範囲を超えて、継続的に行われていたことを示せるということです。
なお、職場いじめを解決するために必要な証拠は一人だけではなかなか確保するのが難しいですし、相手に責任追及するうえで効力が弱いこともありますので、調査のプロである調査事務所に相談して進めていくのがベストでしょう。
職場いじめは、毎日長時間滞在しなければならない場所で行われるものですし、逃げることが難しいので一人でつらく、悲しい気持ちに耐えなければなりません。
今の辛い現状を変えていくためには、少しでも行動していくことが大切です。あなたが行動を起こせば、必ず味方になってくれる人が現れます。
この記事が、あなたの新しい第一歩のきっかけになってくれれば幸いです。