カテゴリ:ストーカー
✓職場で待ち伏せをされて、家までつけられている
✓復縁を求めるメールや手紙が毎日大量に送られてくる
✓帰宅したらすぐに「お帰り」というメールが届く
このように、身の危険を感じるようなゾッとする体験をしたことがある方は少なくないのではないでしょうか。このような行為を受けている方は紛れもなくストーカー被害者です。
ストーカー犯罪は、身に覚えのないのに知らない間につきまとわれ、個人情報を全て知られてしまい、最悪の場合殺人事件にまで発展してしまうことのある恐ろしい犯罪です。
元カレや元カノ、元配偶者がストーカー加害者になることもありますし、全く知らない人が加害者になることもあります。また、最近ではSNS上の知り合いが加害者になるケースも増えてきています。
どこに加害者になりうる人がいるのか把握しきれないという恐ろしさもあり、誰でも被害者になる可能性があるのがストーカー犯罪です。
今回は、ストーカー規制法で定められているストーカー犯罪に該当する行為や、ストーカーの被害に遭ってしまったときに相談できる窓口についてご紹介します。ストーカー被害に一人で悩んでいる方はぜひ参考にしていただき、早急に問題を解決していくための手助けにしていただければ幸いです。
近年、インターネットやSNSの普及も相まって、ストーカー被害やつきまとい被害、嫌がらせ行為は増加傾向にあり、その被害は社会問題となってきています。
ストーカー行為は、いたずら電話や手紙だけにとどまらず、盗聴や盗撮、性犯罪、誘拐事件や傷害事件へと幅広く被害が拡大している可能性を秘めています。
平成12年11月に「ストーカー規制法」が施行され規制が設けられましたが、現在でも実際問題として警察に届け出てもなかなか取り扱ってもらえないのが実情です。
ストーカーは、あなたの身近な人であったり、SNS上だけの知り合いであったり、全く面識のない人であったりと、様々なケースがありますので、対応も慎重に行っていかなければなりません。
ストーカーの卑劣な行為は放っておくとますますエスカレートする傾向がありますので、被害が拡大しないうちに、早めに対処をしていくことが重要です。
ストーカー被害を受けることでケガをしたり、物を壊されたりなど目に見える被害ももちろんありますが、被害者が受けるのはそれだけではありません。ストーカー被害による精神的なダメージも相当なものなのです。
ストーカー被害者は「今日も監視されているかもしれない」「家の前に立っているかもしれない」「夜中に無言電話がかかってくるかもしれない」といった不安が頭から離れなくなり、それが長期的に続くと睡眠障害やうつ病などの精神疾患を発症してしまう恐れがあるのです。
これ以上被害を拡大させないためにも、必ず専門家や公的機関などに相談して解決していくようにしましょう。
ストーカー被害は、傍から見ればどう見ても被害に遭っている状況であっても、案外被害を受けている本人はそれを自覚できていないことがあります。
ここでは、ストーカー規制法で規制されているストーカー行為について見ていきますので、今、ご自身が置かれている状況がストーカー被害にあたるのかどうか、まずはチェックしてみてください。
つきまとい、待ち伏せし、自宅や勤務先、学校などに押し掛けたり、その付近で見張りをしたりする行為はストーカー規制法で禁止されています。
「今帰ったんだね。今日は遅かったね」
「今日は●●さんと▲▲で食事していたね。僕と一緒に行ってほしかったのに」
など、あなたのことを監視していると思わせるような内容を伝えてくる行為もストーカー行為です。
メールや電話で告げるだけでなく、玄関にメモを置いておくなどする行為も同様です。
相手が拒否しているにもかかわらず、会うことや交際すること、復縁することを執拗にせまったり、プレゼントを送り続けたりすることもストーカー規制法で禁止されています。
相手に恐怖を感じさせ、威嚇するような乱暴な言動をすることもストーカー行為の一つです。たとえば、大声で「バカヤロー」「尻軽女」と粗野な言葉を浴びせるなどの行為があてはまります。
電話をかけてくるのに無言で切れてしまったり、辞めてほしいと告げているのに連続して複数回電話をかけてきたり、またはファックスを送り付けてきたりすることもストーカー行為です。
最近ではLINEなどで複数回メッセージを送信することもあてはまります。
ゴミなどの汚物や動物の死体などを自宅や勤務先に送り付けたり、自宅の玄関などにばらまいたりする行為です。
ターゲットである被害者を誹謗中傷したり、相手のプライバシーを暴露したり、でたらめな噂を作り上げて広めたりする行為もあてはまります。
わいせつな写真など性的羞恥心をあおるようなものなどを自宅や勤務先に送り付ける行為です。
また、電話や手紙で卑劣な言葉を告げて辱めようとすることもストーカー行為にあたります。
ストーカー被害は誰でも受けてしまう可能性のある身近な犯罪ですが、実際に被害に遭った時、どこにどのように相談すればいいのかしっかりと把握されている方は少ないでしょう。
どこに相談していいかわからず、一人で抱え込んでしまったり、被害に耐え続けてしまったりすることがないよう、ストーカー被害に悩んだ際はここでご紹介する相談先に一度話をしてみてください。
女性の人権ホットラインは、法務省が運営している公的の相談窓口です。ストーカー被害に遭っている女性の相談を受け付けている他、DVやセクハラなどの女性の人権侵害に関わることを相談できる窓口です。
公式サイト:女性の人権ホットライン
電話番号:0570-070810
受付時間:8:30〜17:15
配偶者暴力相談支援センターはストーカーの加害者が配偶者、もしくは元配偶者である場合に利用しやすい相談窓口です。配偶者暴力相談支援センターでは、被害内容に応じて適切な窓口を紹介してくれますし、カウンセリングなどの精神的なケアにも対応してくれます。
配偶者や元配偶者からストーカー被害を受ける場合、すでに自宅がバレているケースがほとんどなので、これ以上のストーカーの被害に遭わないために、被害者が引っ越しをするなどの対策が必要になることもありますが、配偶者暴力相談支援センターでは、保護施設に関する情報提供を行ってくれますので、安心して暮らせる援助をしてもらえます。
また、ストーカー加害者に経済的に頼ってしまっている被害者に対しては自立して生活することを支援する機関の情報提供なども行っています。
公式サイト: 配偶者暴力相談支援センター
電話番号:電話番号は地域ごとの施設によって異なります。
受付時間:地域ごとの施設によって異なります。平日9:00〜17:00の施設や24時間無休の施設もありますので最寄りのセンターを確認してください。
被害者ホットラインは、検察庁が運営しているストーカー被害に関する相談窓口です。ストーカー犯罪の加害者が逮捕されて起訴されることになった場合の、刑事裁判の手続きやそれに関連する相談を受け付けています。
刑事裁判で被害者として証言することが不安なときや、裁判についてわからないこと、不安なことがあればこちらに相談できます。
公式サイト:被害者ホットライン
電話番号:電話番号は地域ごとの検察庁によって異なります。
受付時間:平日8:30〜17:00
みんなの人権110番では、女性だけでなく、男性からのストーカー被害についての相談に乗ってもらえます。
最近では、ストーカー被害に遭うのは女性だけと限らず、男性が被害に遭うケースも少なくありません。元恋人や元配偶者からストーカー行為をされたり、SNS上のファンからストーカー行為をされたりなど、男性がストーカー被害に悩むケースが増えているのです。
法務省が運営しているみんなの人権110番では、ストーカー被害についての相談に加えて、名誉毀損や傷害罪に発展するようなケースについても相談することができます。
公式サイト:みんなの人権110番
電話番号:0570-003-110
受付時間:平日8:30〜17:15
ストーカー行為はエスカレートすると傷害事件や最悪の場合殺人事件に発展するなど甘く見てはいけない犯罪の一つです。
もし、ストーカー被害を受けていて身の危険を感じるようであれば、すぐに警察に相談しましょう。警察ではストーカー被害に対しての相談窓口が多様に設けられていて、はじめに利用しやすいのが警察署の生活安全課です。
ストーカー被害の相談だけでなくそこで被害届も出すことができるので、身の危険を感じている場合や、警察に何らかの対応を頼みたいという場合はこちらの窓口を利用しましょう。
なお、警察に相談しに行く際は、ストーカーから送られてきた手紙やメール、会話を録音したものなど、できるだけ被害状況が客観的に分かる証拠を持っていくようにしてください。警察では、危険性の高いものや緊急性の高いものから優先的に対応していくため、証拠がなければなかなか動いてくれないこともあるのです。
また、ストーカーの被害には遭っているもののまだ被害届を出すほどではない、とりあえず今後の対応を相談したい、など重大な被害に発展していない場合は、警察署に出向く前に警察相談専用電話#9110を利用するのがいいかもしれません。
警察相談専用電話#9110では、まだ具体的に被害を受けていない段階の悩みに関しても気軽に相談できますし、相談内容に応じて警察の相談員が適切なアドバイスをくれたり、必要な部署を紹介してくれたりなどの対応を取ってくれます。
いずれにしても、ストーカー被害はエスカレートして事態が悪化する可能性もありますので、警察への相談は早くしておくことに損はありません。
公式サイト:警察相談専用電話#9110
電話番号:局番なしの#9110
受付時間:平日8:30〜17:15
ストーカー被害を受けた際は、弁護士に相談するという方法もあります。ストーカー被害について弁護士に相談するとなると気が引けてしまう方も多いかもしれませんが、法テラスでは、ストーカーやDVの被害などを受けている人を対象として、「DV等被害者法律相談援助制度」という制度を設けて対応してくれます。
そこでは民事だけではなく刑事事件についての相談もできるため、「加害者に刑事処罰を受けてほしい」という刑事の相談と「慰謝料を請求したい」という民事の相談が一度にできるというメリットもあります。
持っている資産の条件として、処分可能な現預金額が300万円以下であれば無料で利用できる窓口なので、弁護士費用が気になるという方も気軽に活用することができるでしょう。
また、法テラスでは「DV等被害者法律相談援助制度」の他にもストーカー被害に既に遭ってしまった被害者を助けるための「犯罪被害者支援ダイヤル」も設けています。
公式サイト:DV等被害者法律相談援助制度 犯罪被害者支援ダイヤル
電話番号
DV等被害者法律相談援助制度:0570-078374
犯罪被害者支援ダイヤル:0120-079714
受付時間:平日9:00~21:00 土曜9:00~17:00
ストーカー被害や嫌がらせ行為を受けた際には、弁護士や警察など、様々な専門機関に相談することができますが、ストーカーの加害者について特定できていなかったりストーカー行為を証明できなかったりすると、対応してもらうことが難しくなってしまいます。
特に警察は、冤罪になることを恐れているため、実際に受けている被害がそれほど大きくなく、加害者についての証拠がない状態だと対応を後回しにされて積極的に動いてくれないケースも多いです。
そこで頼りになるのが調査のプロである探偵です。探偵は調査を依頼すればストーカーの加害者についての捜査をして証拠を掴み、犯人であることを証明することができます。
「警察にストーカー被害について相談していたのに対応してもらえず、その間に誘拐事件や傷害事件に発展してしまった」というニュースを耳にしたことがある方もいらっしゃるでしょう。
警察に相談しても取り合ってもらえなかった場合や、すぐにでも対処していきたい場合などは民間の探偵事務所に相談することが最も有効と言えるでしょう。
今回の記事では、ストーカー被害を受けた際の相談先についてご紹介してきました。気軽に相談できるものから、法的措置についての相談もできるところまで様々ありますので、ご自身の状況に合わせてできるだけ早く相談しに行くといいでしょう。
なお、警察などの公的機関はストーカー被害の証拠がないとなかなか動いてくれないことも多いです。ただ、ご自身で証拠を集めるのは身の危険もありますし、どのような証拠が必要なのか分からないですよね。証拠集めはプロの探偵に依頼し、その証拠を元に警察や弁護士などに相談に行くとよりスムーズに解決することができます。
仮にストーカー行為をしているのがどこの誰かまったくわからない場合であっても調査をして証拠を掴むことは可能ですので、ストーカー被害に悩んだら一度相談してみることをお勧めします。