カテゴリ:ストーカー
別れたはずの元恋人が行く先々で待ち伏せをしていたり、しゃべったこともない見知らぬ人に後をつけられていたり、交際を断った同僚から毎日のように電話がきたり、など、嫌がらせ行為やストーカー行為に悩んでいる方は少なくないでしょう。
最近では、マッチングアプリで知り合った相手が両想いだと勝手に勘違いをしてストーカーとして付きまとい行為をするという被害のケースも増えてきています。
恋愛感情のもつれや恨みなどから起こるストーカー行為は、次第にエスカレートし、正しく対処していかなければ凶悪な犯罪や最悪の場合殺傷事件にまで発展するおそれがあります。
あなたの命や身の安全を守るためには、正しく対処し、適切な専門家に相談して対応していくことが何より重要です。今回は、ストーカー行為とされる具体的な行為やその対処法、ストーカー被害を受けないためにもしくは悪化させないためにできる対策、そして万が一ストーカー被害に遭ってしまった場合の相談先について解説していきます。
最近、誰かに後をつけられている気がする…
元恋人から恨まれている…
脅迫文のようなものが家に届いた…
など、少しでも身の危険を感じている方は、ぜひ今回の記事を参考にしていただき、正しく対処していくようにしてください。
ストーカー行為は、ストーカー規制法という法律によって禁止されていますが、具体的にどのような行為がこれに当たるか、完璧に把握されている方は少ないと思います。
また、そのようなストーカー行為に対してどう対処したら被害を防ぐことができるのかについても把握しておくことで、自分の身を守ることにつなげることができます。
ここでは、ストーカー行為として禁止されている行為とそれぞれの正しい対処法について確認していきましょう。
つきまとい行為としては
・尾行する
・あなたの行く先々で待ち伏せする
・自宅や職場、学校などで見張りをする
・自宅や職場、学校などに押しかける
・自宅や職場、学校などの付近をうろつく。
といった行為が当てはまります。
【対処法】
・警察や信頼できる人に相談しておく
・常に携帯電話を持ち歩き110番通報できるようにしておく
・大きな音の出る防犯ブザーを持ち歩く
・通学路や通勤路上で交番やコンビニなどいつでも駆け込める場所をチェックしておく
・特に夜間の一人歩きは避ける
・特に夜間は明るく人通りの多い道を選ぶ
・夜間など不安なときは家族に迎えに来てもらうか
・ドアや窓には二重鍵をつける
・ドアを開けるときは外部をチェックしてから開ける
「今日は●●のカフェに行っていたんだね」「今日の服装はワンピースで可愛かったね」などとメッセージを送ってきたり、帰宅した途端「お帰り」「今日は帰りが遅かったんだね」などとメッセージが届けられたりする行為もストーカー規制法に違反する行為です。
【対処法】
・ドアや窓の鍵は二重ロックにする
・自宅に防犯カメラや非常ベルを取り付ける
・自宅に入るときと出るときは周囲を確認してからにする
・外出時はもちろん家にいるときも戸締まりを徹底する
・カーテン等を使って部屋の内部が見えないようにする
・ゴミを捨てるときは個人情報が書かれたものがないか確認する
・どうしても不安な場合は実家や友人宅から通勤、通学する
拒否しているのに面会や交際、復縁を求めてきたり、贈り物を受け取るように要求してきたりする行為もストーカー規制法で禁止されている行為です。
【対処法】
・面会や交際についてはっきりと拒否する姿勢を示す
・相手が勘違いするような曖昧な態度は取らない
・警察に早い段階から相談しておく
「ばかやろう」「ふざけるな」大声で怒鳴ったり、「お前なんて●●だ」と暴言を吐いたり、それらの内容のメッセージを送ってきたりする行為や、家の付近で車のクラクションを激しく鳴らす行為などはこの乱暴な言動に該当し、犯罪とされます。
【対処法】
・危険を感じたらすぐに警察に相談する
・防犯ブザーを持ち歩く
・いつでも助けを呼べるように携帯を持ち歩く
無言電話をかけてくる行為や、拒否しているのに何度も連続して電話をしてくる行為、メールやSNSのメッセージをしつこく何度も連続して送ってくる行為がこれにあたります。
【対処法】
・相手に期待を持たせるような返信をしない
・相手の電話番号や非通知での電話は着信拒否にする
・電話番号やメールアドレスを変更する
・LINEや他のSNSはブロック設定にする
・SNSに個人情報や詳細な日常をアップするのは避ける
・電話やメッセージのやり取りの記録を保存しておく
汚物や動物の死骸など、相手が不快感を持つようなものを自宅や職場に送り付けたり、自宅付近にまき散らしたりする行為がこれに当たります。
【対処法】
・すぐに警察に相談する
・被害の状況を写真に残すなど証拠を取っておく
・送られた日時や内容を記録しておく
・送り主の不明な届け物などは受け取り拒否にする
・万が一、受け取ってしまった場合は開封せずに警察に相談する
「●●会社のA子は尻軽女だ」「お前って女は何人も男を騙しやがって」などあなたの名誉を傷つけるような内容のメッセージを送り付けてきたり、そのような誹謗中傷の内容をSNSに書き込んだりする行為もストーカー規制法で禁じられています。
また、「お前の過去のヤバイことも会社中にバラしてやるからな」などと、名誉毀損行為をほのめかす行為もこれに該当します。
【対処法】
・送ってきたりSNSに投稿されたりした内容を印刷して警察に相談する
・SNSに投稿された内容は削除申請する
・投稿者が誰か確証が持てない場合は投稿者を特定する
・「あなたの●●もバラしてやる」と相手を刺激しない
参考記事:爆サイの悪口を削除したい!削除依頼方法のまとめとテンプレ・例文
参考記事:爆サイの犯人に法的制裁を!爆サイに書き込みをした犯人を特定する方法
卑猥な写真を送りつけてきたり、電話や手紙で卑猥な言葉を告げて相手を辱めようとしたりする行為がこれにあたります。
【対処法】
・送り付けられた手紙やスクリーンショットを持って警察へ相談する
・ストーカーからの電話には出ないようにする
・電話に出てしまった場合は内容を録音して証拠を取っておく
・激しく動揺して相手を刺激しないようにする
ストーカー被害に遭ってしまうと、その後心の傷として長い間苦しめられてしまう恐れがありますし、ストーカー行為がエスカレートすると傷害事件や殺人事件にまで発展してしまう恐れもあります。
そうならないために、ストーカー被害に遭わないための対策やもしストーカー被害に遭いそうになっても悪化させないための対策を知っておくことも大切です。
今の現時点では身の危険がないと感じていても、ある日突然あなたに対して攻撃的になる可能性も考えられますので、できる限りの対策を頭に入れておくと良いでしょう。
住所や電話番号などの個人情報はストーカーにとっては喉から手が出るほど欲しい情報です。ストーカー相手だけでなく、個人情報は気軽に教えることは普段から避けるようにしましょう。
特に、マッチングアプリやSNSなどで知り合った相手に気軽に個人情報を教えてしまうと悪用されるリスクもありますし、相手が勘違いしてストーカーになったときに被害が拡大してしまう恐れもありますので、個人情報の管理は徹底するようにしてください。
また、宅配で送られた段ボールを捨てるときや住所が印刷された郵便物を捨てるときなどは住所が読み取れないよう裁断してから捨てると良いでしょう。
普通の人であれば「この人はもしかして自分に興味がないのかな」「こんなことしたら嫌われるかな」と客観的に自分や相手との関係性を把握することができますが、ストーカーはそのような空気を読むことはほぼありません。
そのため、相手が勘違いしてしまうような曖昧な態度を取ってしまうと「両想いのはずなのになぜデートしてくれないんだ」「俺の想いがちゃんと伝わっていないならもっと強く誘わなきゃ」など相手を刺激してしまうことになります。
相手に興味がないのであれば、感情的にならず、かつ相手に失礼な態度にならないよう気をつけながらはっきりと拒否の姿勢を示すことも大切です。
基本的なことですが、自宅にいるときはしっかりと戸締りを徹底しましょう。ドアの鍵だけでなく窓の鍵も確実に閉めてください。
一人暮らしの場合や家に一人だけでいるタイミングは、最もストーカーによる被害に遭いやすい状況なので、ストーカーが自宅内に侵入できないよう徹底しておくことが大切です。
なお、ストーカーが元恋人や知り合い、同僚など身近な人物である可能性は極めて高いため、もしストーカーが合鍵を持っている可能性がある場合は、チェーンロックも忘れず掛けておくと安心です。
ストーカー被害は1人でいる時に起きることがほとんどです。そのため、出来る限り一人にならないようにすることは、被害を防ぐうえで効果的な方法です。
学校や職場からの帰り道は、人通りが多い道を選んだり、明るい時間帯に帰れるように工夫したりしてください。
もしどうしても人通りが少ない道を通らなければならないときや、帰宅が遅くなった場合には、タクシーを利用するのもありですし、家族や友人に迎えに来てもらう方法も有効です。
ストーカー被害に遭わないように普段から行動や対応に気を付けておくことももちろん大切ですが、万が一ストーカー被害に遭ってしまった場合は、一刻も早く専門家に相談して身の安全を守ることが大切です。
今後嫌がらせ行為がエスカレートしてストーカー被害に遭ってしまったときのためにも、頼るべき相談先を予め把握しておきましょう。
ストーカー被害に遭った場合に心強い味方となってくれるのが警察です。現代ではストーカー被害が社会問題にもなっているので、警察も丁寧に対応してくれるでしょう。
さらに、つきまとい行為の証拠やしつこいメール、電話などの履歴を持参していけば、より具体的な対処法や今後の対策についてもアドバイスをしてくれます。
また、被害届を提出しておけば、自宅周辺の見回りを強化してくれたり犯人が分かっている場合は直接警告してくれたりします。もし今現段階では警告などが難しい状況であったとしても、一度警察に相談しておいたり被害届を出したりしておけば、記録として残りますので、今後事態が悪化した時にスムーズに対応してくれるようになります。
警察に相談するとなると、少し遠慮したり気が引けたりするかもしれませんが、身の安全が第一ですので、迷わず相談するようにしてください。
ストーカーをしている相手の身元が分かる場合、弁護士へ相談するのも有効な対処法です。弁護士に相談すれば、ストーカーの相手に内容証明郵便を送付してもらえますので慰謝料請求などを依頼することができます。
実際に、慰謝料を受け取りたいわけではなくても、慰謝料請求するという行動によって、あなたが受けている心の傷を認識してもらえたり、あなたからの責任追及を重く感じて行為をやめたりするケースも多いのです。
警察への相談も弁護士への相談も、効果的に対処してもらうためには、ストーカー被害を受けているという証拠が必要になる場面が多くなりますので、嫌がらせの手紙や脅迫文、SNSへの投稿内容など、ストーカー行為であることが証明できるような証拠を揃えておくことも重要です。
ストーカー被害に遭った時、警察並みかそれ以上に頼りになる存在が探偵です。探偵と聞くと人探しや浮気調査をしている印象を強く持っている方も多いと思いますが、ストーカー被害などの嫌がらせ調査も行っています。
ストーカー被害の相談を探偵にするメリットとしては、ストーカー被害の証拠を確実に押さえてくれるため、警察が動きやすくなるという点や、ストーカーをしてくる加害者が誰かはっきりしないときにストーカーが誰なのか特定してもらえるという点です。
証拠がなかったり、ストーカーがどこの誰なのかはっきりとわからなかったりする状態だと、警察に相談しても有効な対策を取ることができず、その間に被害が長引いてしまったりエスカレートして取り返しのつかない事態になってしまったりします。
もちろん、ストーカー被害を受けたらすぐに警察に相談に行くのは絶対ですが、状況的に警察がなかなか動けなかったり、被害が解決しなかったりする場合は、一度探偵にも相談して証拠を掴み、犯人を特定してもらうことでよりスムーズにトラブルを解決していくことが期待できます。
ストーカー被害は決して軽く考えてはいけないトラブルで、すぐに対処しなければならないという認識を持っておくことが大切です。
また、ストーカー被害は警察に相談し、被害届を出すという対処が必要な事ではありますが、警察に相談しても確実に対応してくれるとも限らないため、探偵への調査の相談も合わせて進めておくことで、身の安全をより確実に守ることができるでしょう。
いずれにしても、ストーカー被害に悩んだ場合は、決して一人だけで抱え込まず、警察や探偵、弁護士など専門家の手を借りながら解決に向けて進めていくようにしてください。