カテゴリ:ご近所トラブル
「隣人ガチャ」という言葉を聞いたことがある方は、どのくらいいらっしゃるでしょうか。
実は「隣人ガチャ」という言葉が最近話題となっていて、密かにその言葉の認知度が上がってきています。
今回は、今話題になっている「隣人ガチャ」について、その概要や隣人ガチャに失敗しないために事前にするべき対策、その中でももっとも効果的な対策についてご紹介していきます。
冒頭でいきなり「隣人ガチャ」という言葉を使ってしまいましたが、その意味や語源についてここでは簡単にご説明します。
ここで言う「ガチャ」とは、いわゆる「ガチャガチャ」のことで、皆さんも小さいころ、小銭を入れてハンドルを回し、自分の狙っていたおもちゃを手に入れる機械で遊んだ経験があるのではないでしょうか。また、最近ではそのガチャガチャを模したバーチャルなサービスも出てきています。
ガチャガチャはお金を入れ、ハンドルをひねった後、何が出てくるのか?自分の中でのアタリなのか?ハズレなのかが判らないカプセルトイの販売機で、それが語源となっているのが隣人ガチャという新しい言葉なのです。隣人ガチャとは、隣人に対するアタリ・ハズレを意味する言葉で、よい隣人に恵まれて生活が快適であればアタリですし、騒音などが酷くストレスのたまる生活を余儀なくされればハズレとなります。
そして、そんな隣人ガチャに「ハズれた・・・。」と嘆く人は世の中にとても多くいます。実際、この記事を読んでいただいている皆様の中にも、「今の隣人がまさに隣人ガチャハズレだ」という方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、案外見落としがちなのが、自分自身が周りにとっての「隣人ガチャハズレ」ということもあります。そして、周りが隣人ガチャハズレだと感じるあなたの行動に対して、我慢の限界がきたとき、嫌がらせのトラブルなどに発展してしまう可能性があるのです。
自分が隣人ガチャにハズレてしまう場合も自分自身がハズレの隣人になってしまう場合も共通して言えるのが、当人が「ハズレ」であることを自覚しているケースはかなり少ないということです。
「自分的には普通に暮らしているつもりで迷惑をかけているつもりはない」
「しかし、自分では普通だと思っている行動が周りにとっては普通ではなく、迷惑に思っている」
つまり、価値観の相違が根底にはあるのですが、隣人という微妙な距離感の人間関係だからこそ、価値観のすり合わせがとても難しく、相手に迷惑を受けていることを伝えることも難しく、問題が深刻化していってしまうのです。隣人ガチャに失敗した末の隣人トラブルは厄介な問題なのです。
「隣人ガチャ」という言葉が出てくるほど、近年では、さまざまな隣人トラブルが問題になっています。
できるだけ隣人とは関わりたくないと思っている一方で、災害などもしものときには支えあえたらいいなと考えている方も少なくないでしょう。
しかし、実際問題として「隣人との関わりの程度」はどの程度がいいのかわからないですよね。
「隣人と関わりを持ちすぎても面倒なことになりそう」
「どの程度の関わりが気楽でいいのだろう」
「挨拶するときに世間話はするべきなのだろうか」
と、隣人との距離感に悩む方も多いと思います。
今回は、とある調査会社が隣人付き合いがある全国の20代~50代の男女を対象に実施した、「隣人との関係性」に関する調査結果について見ていきましょう。
アンケート調査の項目として「あなたの隣人との関係性は?」という質問に対しての結果は、
とても関わりがある:4.8%
ある程度関わりがある:20.0%
あまり関わりがない:52.4%
全く関わりがない:22.8%
となりました。
隣人と全く関わりがないという方も2割以上いるということがわかりました。
ただ、マンションか一戸建てかによってもその割合は変わっていて、
マンションやアパートに住んでいる人の「全く関わりがない」率:35.9%
一戸建てに住んでいる人の「全く関わりがない」率:11.0%
となっています。
やはり、一戸建ての住宅に住むとなると、隣人との関係は多くの方にとって切っても切れない関係になりそうです。
上のアンケート結果では、8割近くの方がある程度の関係があるとなっていますが、隣人との関係はどのくらいの関係性がベストだと考えているのでしょうか。
「あなたの隣人との理想的な関係性は?」という質問に対して
一緒に食事をしたり、おすそ分けをしたりするような親密な関係が良い:16%
簡単な世間話をしたり、玄関先で雑談をしたりする挨拶程度の関係が良い:71%
全く関りがない、もしくは家族構成くらいは知っているくらいの関係が良い:13%
という結果になりました。
なお、そのほかの回答としては、災害時は助け合いたいと答えた方が46%だったり、非常時には相談したいと答えた方が28%だったりと、非常事態の時にある程度のかかわりを持ちたいと考えている方が多いようです。
皆さんが「隣人ガチャ、失敗したな・・・。」と思う瞬間はどのようなときなのでしょうか。ここでは隣人ガチャに外れた場合の典型例についてリストアップしてみました。
以下の項目に一つでも当てはまれば、いわゆる「ハズレ」を引いたことになりますし、あなた自身が周りからみたときのハズレになっていないか今一度ご自身の生活を見直してみてください。
✓歩く足音がうるさい
✓ドアのしめ方が乱暴
✓いびきやくしゃみの音が異様に大きい
✓非常識な時間帯に掃除機や洗濯機を使う
✓深夜まで友達とどんちゃん騒ぎ
✓一人でストレス発散に大声で歌を歌っている
✓窓を開けっぱなして生活音が駄々洩れ
✓窓からタバコのニオイが漏れている
これら一つ一つはなかなか本人にも言えませんし、「自分さえ我慢すれば・・・」と思ってしまいがちですが、あまりにも度を超すような場合はまず管理会社やオーナー、自治体に相談してみてください。
皆さんも恐らくご存知のように隣人ガチャに失敗するというのは決して珍しいことではなく、どれだけ注意していても、どこの地域に住んでいても、戸建てやマンション関係なく、誰にでも起こりうることです。
では、できる限り隣人ガチャに失敗しないためにはどのような対策を講じるのが良いのでしょうか。
隣人トラブルの原因として最も多いとされるのが騒音です。騒音というと、「深夜にギターを鳴らす」「夜更けまでどんちゃん騒ぎをする」などのイメージを持ちやすいのですが、生活音として出てしまう「足音」や「洗濯機・掃除機の音」「話し声」なども騒音の原因になりやすいので、注意が必要です。
騒音が原因の隣人トラブルに巻き込まれないためには、建物の遮音性や防音性を引越前に確認しておくことが重要です。
遮音性や防音性は建物の構造によって大きく異なります。遮音性、防音性が高いのは
【鉄筋コンクリート>鉄骨鉄筋コンクリート>重量鉄骨>軽量鉄骨>木造】
となっています。
また、窓を二重ガラスにしたり厚手のカーテンを使用したり防音マットを設置したりする事でも防音性を高めることができますので、念のための対策として知っておくと良いでしょう。
また、マンションやアパートでは最上階や1階、それぞれの角部屋を選ぶようにすれば、隣接する他の部屋が少なくなるので、その分他の部屋から受ける騒音のリスクは避けられますし、ご自身の騒音がトラブルの原因になるリスクも減らすことができます。
騒音トラブルに関連して言えば、音の大きさそのもの以外にもライフスタイルの違いによって騒音になってしまうケースもあります。
たとえば、昼の13時に隣の部屋から掃除機の音や洗濯機を回す音がしても、「騒音だ!!」とはあまりならないですよね。しかし、これが夜中の2時、3時に掃除機をかけられ、洗濯機を回されれば、騒音になりえます。
このように、ライフスタイルが違えば隣人トラブルが起こるリスクも高くなるのです。
夜勤勤務がメインの人が隣に住んでいて、自分の世帯が通常の勤務体系だとどうしても生活音が出る時間帯が変わってきます。また、小さい子供がいるかどうかでもライフスタイルは変わってきます。
自分がこれから住もうとしている場所の周りがどのようなライフスタイルの家庭なのかを事前に調査しておくことで、トラブルの回避ができるようになるでしょう。
引っ越す先の物件を探す上で、安さは大きな魅力になることは間違いないのですが、隣人ガチャに失敗しないためには、相場よりも高い物件を選ぶことをお勧めします。
相場よりも高い家賃物件の方が、収入的にも余裕があったり、社会的地位がしっかりしたりする人が住んでいる可能性が高いですし、常識のある人が入居していることが期待できます。
また、防音や遮音性も、相場より高い物件のほうが家のつくりもしっかりしているので安心できるでしょう。総合的に考えれば、相場より高めの物件を選ぶことで、騒音が原因となるような隣人トラブルに発展しにくくなります。
マンションやアパートであれば、ゴミ捨て場や駐車場、駐輪場などの共用スペースがあると思いますが、入居を決める前に必ず共用部分をチェックし、綺麗に使われているかを確認するのが得策です。
ゴミ捨て場や駐車場、駐輪場などの共有部分は、そこに住んでいる人たちのマナーやモラルが反映されやすい部分です。指定された曜日以外にゴミが捨てられていたり、共用部分が散らかっていたり、ゴミがポイ捨てされていたりすれば、そのマンションやアパートの住人たちのマナーが悪く、隣人トラブルになる可能性が高いと判断できるでしょう。
最近はマンションやアパートに引っ越してきても、ご近所にあいさつ回りに行く方も減ってきているようですが、引っ越し後のご近所へのあいさつ回りは基本的なマナーです。しっかり行うことで、今後隣人トラブルに巻き込まれることを回避することができます。
あいさつをしておき、顔見知りになっておけば、今後ちょっと困ったときや聞きたいことがあるときでも声をかけやすくなりますし、ある程度の隣人関係を築きやすくなります。
隣人トラブルは日々の小さい不満の積み重ねである日突然起こってしまうものなので、そのような爆発を防ぐためにも、普段からご近所さんに気軽に声をかけられる関係性を築いておくことが大切です。
隣人ガチャに失敗しないために事前にできる対策について前の章でお伝えしましたが、一番お勧めできる最も確実で安全な方法は、調査の専門家に隣人や周辺環境について事前に調査してもらうことです。
調査のプロに頼めば、ご自身で引っ越し予定先にわざわざ出向いて長時間にわたって様子を観察する必要もありませんし、専門的な視点から調査を行うため、素人では見逃してしまいがちな隣人トラブルリスクも発見してもらえます。
調査のプロによる近隣住民や周辺環境についての調査は、隣人に直接聞き込み調査を行ったり、昼と夜の2パターンにわけて現地の調査を行ったり、役場に出向いて苦情などのこれまでの履歴を調べたりします。もちろん、他にも独自のネットワークを使って隣人トラブルのリスクについて徹底的に調べ上げます。
隣人トラブルは、トラブルになってからでは解決が難しく、鎮火するのに時間がかかってしまうため、できるだけ隣人トラブルを起こさないように防止策を徹底していくことが重要なのです。
隣人トラブルは、騒音やニオイなどなかなか犯罪にまで結びつけるのが難しいという性質もあり、1度起きてしまうと解決するのが中々難しいトラブルです。
当事者同士での話し合いによって解決するのは難しいため、管理会社や自治体に相談することになりますが、そのほとんどで根本的な解決には結びついていないのが現状です。
隣人トラブルになってからでは遅いという考えを持って、事前に対策をしっかりと行うことで、新天地での生活を快適に過ごすことができるでしょう。
とはいえトラブルになってからであっても、専門家に調査を依頼することで被害の証拠を集めたり、加害者の行動が犯罪の域に達している証拠を取ってもらったりすることは可能で、損害賠償請求や刑事告訴することも可能ですので、もし隣人トラブルに巻き込まれたと感じたら、できるだけ早く調査の専門家に相談して証拠収集をするようにしましょう。
引越前も引っ越し後も、少しでも不安に感じたら調査会社に相談してみてくださいね。