カテゴリ:ご近所トラブル
新しいマンション・アパートに引っ越すときや、新築で家を建てて夢のマイホームに移り住むとき、誰もがワクワクしてこれから始まる日常に期待を膨らませているでしょう。
しかし、ときにそのような期待している日常とは違い、「ご近所トラブル」に頭を悩ませる日々が待っている可能性もあります。
ご近所トラブルは、ふとしたきっかけで起こってしまいますし、ご近所の住民同士の価値観の相違から発生することが多いので、「なぜトラブルになっているのだろう」「どうすれば解決するのだろう」と原因がはっきりと理解できずに悩むことも多いかもしれません。
そこで今回は、ご近所トラブルに発展しやすい原因としてどのようなことが挙げられるのか、ご近所トラブルに巻き込まれないために事前にOR普段から気をつけられることはどのようなことなのか、詳しく見ていきたいと思います。
では早速、ご近所トラブルの原因になりやすいものをピックアップしてみていきましょう。
ご近所トラブルの原因として最も多く挙げられるのが「音」に関する問題です。
夜中や明け方のギターの音や夜中まで騒ぎ散らす騒音だけでなく、テレビや洗濯機、掃除機、ドアの開け閉めなどの生活音まで様々な種類の音がご近所トラブルの原因になりえます。子供のいない家庭にとっては赤ちゃんの鳴き声や子供の騒ぐ音も不愉快極まりないでしょう。
このような音は毎日の生活の中で自然に出てきてしまう音なので、一度気になり始めると継続的にストレスを受けやすくなります。
一方、そのような生活音や騒音を出している側としては「こちらは普通に暮らしているだけなのに…」「そんなに迷惑になるほどの音は出していないのに」と感じることが多いようです。
ちなみに、騒音問題というとアパートやマンションなどの共同住宅の問題と考えがちですが、戸建て住宅であっても騒音がご近所トラブルの原因となる可能性は大いにあります。戸建て住宅でも家と家との間隔が狭ければマンションやアパートと変わらないくらい音が響きますし、窓を開けたままテレビや楽器の音を鳴らせば隣人にとっては耐え難い騒音となってしまうのです。
駐車のマナーや車のマナーもご近所トラブルの原因になりやすいものの一つです。車やバイクのエンジン音は、人によっては騒音と感じます。特に、深夜や早朝に出かけたり帰宅したりすることが多い人はエンジン音でご近所さんを不愉快にさせてしまっている可能性があるのです。
また、隣人宅の敷地や公共の道路をふさぐ駐車もトラブルになりやすいので注意が必要です。自分は気をつけているつもりでも、あなたの家に遊びに来る親戚や友人がマナーの悪い駐車をしていることもあるので、トラブルに発展しないよう気を付けることが大切です。
「犬の鳴き声がうるさい」「隣の家の猫に庭を荒らされた」「犬のニオイが臭くて仕方がない」「犬の糞尿を飼い主が片付けない」「隣の家の猫が敷地内に入ってきて飼っていた小鳥が殺された」
このようなペット関連のトラブルも数多く報告されています。
飼い主にとってペットは家族同然で大切な存在なのですが、他人にとっては決してそうではなく、それが原因となってトラブルが大きな問題に発展してしまうこともあります。飼い主にとっては気にならない程度の臭いでも、周りの人にとっては耐え難いほどの悪臭に感じられることもあるため気をつけましょう。
また、ペット禁止のアパートやマンションであれば、飼育していること自体がトラブルの原因となります。
生活していれば、ゴミは必ず出てくるものですが、このゴミの捨て方のマナーが原因でご近所トラブルに発展することもあります。
ゴミ捨てに関しては、「分別のルールが守られていない」「自治体で指定されているゴミ袋を使用していない」「決められた時間や曜日に出していない」「ごみの出し方が汚い」などのトラブルが多いです。
ゴミの分別ルールは自治体ごとに異なるため、引っ越してきてすぐの時は、前に住んでいた地域でのルールで捨ててしまいがちですので注意が必要です。また、注意する側の場合も、引っ越してきたばかりで知らなかったということを踏まえたうえで優しく注意するようにすることが大切です。頭ごなしに決めつけて注意すると、それだけで相手を不快にさせ、小さなことでご近所トラブルに発展するきっかけになってしまうこともあります。
また、きちんと分別されていないゴミは収集車に回収されないため、清掃員やゴミ当番の人が分別し直さなければいけませんが、「ゴミ袋を開けるのはプライバシーの侵害だ」と、別のトラブルに発展するケースもあります。
タバコを吸う人が昔に比べるとかなり減ってきているため、タバコそのものがご近所トラブルの原因になりやすくなっています。
「部屋の中でタバコを吸うと妻に怒られるから」という理由で、ベランダでタバコを吸っている人も多いかと思いますが、上の階の人や隣の部屋の人からすると「洗濯物にタバコの臭いがつく」「タバコのニオイが嫌で窓が開けられない」という苦情に繋がり、ご近所との関係性が悪化する原因になりますので注意しましょう。
ご近所トラブルというと、マンションやアパートの問題と思われがちですが、戸建て住宅ならではのご近所トラブルの原因として、境界線の問題が挙げられます。
「うちの敷地なのに勝手に物を置いている」「植栽が敷地内にはみだしている」「お隣の塀がうちの敷地にはみ出している」「家のひさしが境界を超えている」などのトラブルは戸建て住宅ならではのトラブルと言えるかもしれません。
古くから住んでいる土地だとそもそも境界線があいまいなケースもありますが、境界に関する問題は資産の問題にも関係してくるため、慎重に対応しないと後々より大きなトラブルに発展したりトラブルが長期化してしまったりして厄介です。
このような境界線のトラブルを未然に防ぐためにも、どこからどこまでが自宅の敷地なのかを正確に把握しておきましょう。
挨拶そのものがご近所トラブルとして取り上げられることは少ないのですが、こちらは挨拶をしたのに相手が返してくれなかった…ということがきっかけで別の不満がトラブルに発展することは多いです。
ご近所同士でお互いに顔を知っているはずなのに、挨拶をしても無視されたり、目が合っても無視されたりすると、気分が良くないものです。深いお付き合いまではしなくてもいいですが、あいさつ程度の関係は築いておいたほうがトラブルを防ぐという意味でも良いのではないでしょうか。
数としては多くはありませんが、被害妄想によってご近所トラブルが起こることもあります。
実際は何も起こっていないのに「お隣の人から嫌がらせをされている」「お隣さんがうちの物を盗んでいる」といった、一方的な思い込みや勘違い、被害妄想を抱いた隣人があたかも被害者のように振る舞い、逆にこちらが被害を受けてしまうというケースです。
このようなトラブルを起こすのは、うつ病や認知症などの病気が原因のことも多いですので、当事者同士だけで解決するのはかなり困難です。自治体など第三者に間に入ってもらい解決に向けての対処をしていくことが必要となるでしょう。
ご近所トラブルは様々なことがきっかけとなり、起こってしまうものなので、「自分だけは絶対に大丈夫」ということはなく、誰でも、そしてどのような家に住んでいても起こりえることです。
100%完璧にご近所トラブルを回避するというのは難しいのですが、可能な限りご近所トラブルに巻き込まれないように対策をすることは可能です。
ここでは、ご近所トラブルに巻き込まれないためにできることをご紹介していきます。
ご近所トラブルは、相手だけが悪いわけではなく、こちらにも問題点や改善すべき点があることがほとんどです。そのため、ご近所トラブルに巻き込まれないためにも自分自身が生活ルールやマンションやアパートの規約をしっかりと守って生活していくことが重要です。
また、マンションやアパートの規約はそれぞれのマンションごと、アパートごとで異なりますので、前のマンションでの規約を元に生活してしまっていて無意識にルール違反を犯してしまっていた場合には、すぐに改善することが大切です。
また、規約で禁じられていなければ何をしても良いというわけではありません。良識のある大人として、周りに迷惑をかけない生活を意識することがトラブル回避においてとても重要なのです。
ご近所トラブルの原因としてダントツトップに来るのは騒音ですが、この騒音トラブルは、リフォームで改善することが可能です。
たとえば、「遮音性能の高い床材に張り替える」「壁に遮音材・吸音材を設置する」「窓を二重窓にする」などプロに依頼するものから自分でもできるリフォームまでいろいろな対処法があります。
もし間取りの変更ができるのであれば、隣の部屋や家に面する部分を居間ではなくクローゼットや廊下など頻繁に出入りしないような部屋を配置するようにすれば、騒音トラブルはかなりの確率で避けることができるでしょう。
アナログな方法ですが、普段からご近所さんと良好な人間関係を築いておくことも近所トラブルに巻き込まれないために重要な対策です。
普段から挨拶は愛想良くしておく、時々おすそ分けする、などの最低限プラスアルファくらいの良好な人間関係を構築しておけば、ご近所トラブルに巻き込まれるリスクもかなり減らせますし、自分が困ったときや災害時などにお互い助け合える関係でいられるでしょう。
また、昔からその地域に住んでいる人と良好な人間関係を築いておけば、その地域独自のルールを教えてくれたり、その地域に馴染めるように手助けしてくれたりするかもしれません。
家のリフォームをする、子供が生まれた、友人が複数来る、など明らかにご近所さんにご迷惑をおかけしそうなタイミングは自分でもわかりますよね。
そのようなときは、あらかじめご近所さんに事情を話して一言謝っておくとトラブルを防ぐことができます。
子供が産まれたら泣き声などでどうしてもご近所さんにご迷惑をかけてしまうことになりますし、頑張っても完全に防ぐことは難しいものですが、「子どもが生まれるので泣き声が聞こえてしまうかもしれません。申し訳ありません。もし気になることがあれば、改善するのですぐにおっしゃっていただけたら助かります。」などと丁寧に挨拶しておけば、たいていの人は理解してくれますし、許してくれるでしょう。
どうしても避けられない生活音は完全に防ぐことよりも、きちんと周りに誠実な対応をして周りへの気遣いを態度で示しておくことでご近所トラブルを防ぐことができるのです。
ご近所トラブルの原因としてトップなのが騒音であることはお伝えしていますが、騒音トラブルを避けるために防音性を事前にチェックするという対策も効果的です。
工夫によって多少の差は出てきますが、一般的には建物の構造によって「鉄筋コンクリート構造>鉄骨鉄筋コンクリート構造>重量鉄骨>軽量鉄骨>木造」の順で、防音性能が高いとされています。
引っ越し先を選ぶ際は防音性が高い構造の建物を選んだり、可能であれば、実際に物件に足を運んで、音の聞こえ方を確認したりするのもトラブル回避には重要です。
また、マンションやアパートの場合、角部屋を選ぶとほかの部屋と隣接する場所が少なくなるため、騒音リスクが低くなります。騒音対策は物件選びから意識しておくとトラブル回避に効果的につなげられるでしょう。
駅チカで間取りも広く、築年数もそれほど経っていないのに相場よりもかなり安い物件には注意が必要です。
事故物件かどうかは告知義務がありますのですぐにわかることですが、問題なのは、隣人にトラブルメーカーがいて入居者がすぐに出ていってしまうために相場よりもかなり安く設定されている場合です。
事故物件というわけではないので告知義務はありませんし、住んでみないとわからないという部分でもあります。しかし、近所にすぐにトラブルを起こすような住民がいればストレスを感じながら生活しなければなりませんし、あなた自身もすぐに引っ越しを考えなければならなくなる可能性も高いため、相場よりも安すぎる物件は手を出さないほうがいいかもしれません。
もしどうしてもその物件が気になるようであれば、調査会社にその物件についての調査を依頼するのがお勧めです。
マンションやアパートに引っ越す場合、引越前に共用部分をチェックするのもご近所トラブルを避けるうえで効果的です。なぜなら、共用部分にはそこに住む住人のマナー水準が反映されやすいからです。
マンションの共用部分にタバコの吸い殻が落ちていたり、ゴミが落ちていたり、壊れた設備がそのままなっていたり、当たり前すぎる注意事項の貼り紙(ゴミのポイ捨ては辞めてください、など)が貼って遭ったりした場合、そこに住む人のモラルが欠けている可能性が高いですし、管理が行き届いていない可能性があります。
共用部が丁寧に扱われているマンションのほうが、住人のマナーも良い確率が高いので、結果的にご近所トラブルのリスクが低いといえるでしょう。
また、下見の際共用部分のチェックをするとともに、周辺の治安や、地域の犯罪率も確認しておくと良いでしょう。
このような事前のチェックはできれば日中と夜中の両方行ったほうが、実際の生活に近い状態でマナーのレベルを確認できるのでお勧めですが、実際には自分で行うとなると時間的にも厳しいかと思います。その場合は、嫌がらせ調査に強い探偵や調査会社に依頼して引っ越し先の状況について確認してもらっておくよう依頼するのが安心ですね。
今回は、ご近所トラブルの主な原因や、巻き込まれないためにできる対策についてお伝えしてきました。マンションに住んでいても一軒家に住んでいてもご近所トラブルに絶対に巻き込まれないという保証はなく、完全に防ぐことも難しいのが現状です。
ただ、事前にどのようなことがご近所トラブルの原因になりうるのかを知っておくだけでも回避しやすくなりますし、対策を把握しておくことで被害を最小限に抑えることが可能になります。
今現在お引越しを考えている方や、引っ越し後でご近所との関係に悩まれている方はぜひ参考にしてみてくださいね。
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